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バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る (2011年アースデイ特番)

いま再びFacebookで大拡散中。

 

いま企業利益のために地球にも人類にも破壊的な環境からの搾取を繰り返していることは、かつての奴隷制度と同じで、ごく少数の利権を得る人間が、肯定して広めてしまっているだけのこと、とヴァンダナ・シヴァさんが言っていますが、近い将来それが証明されることと思います。

 

バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る (アースデイ特番) | Democracy Now!

動画:バンダナ・シバとモード・バーロウ 母なる大地の権利を語る
放送日: 2011/4/22(金)

2011年4月22日、アースデーを記念する特別番組です。デモクラシー・ナウ!では、政治・経済のグローバル化とからんで深刻化する地球温暖化問題を熱心に追ってきました。2009年のコペンハーゲンでの国連気候変動サミット(COP15)、ボリビアで開かれた「気候変動と母なる大地のための世界民衆会議」、カンクン国連気候サミット(COP16)など節目の取材はもちろん、BPの石油流出、石油・天然ガス開発に関するタールサンドやフラッキングによる汚染、石炭の山頂除去採炭、ゾンビ原発の危険など。もちろん、日本の福島原発事故にからむ問題に熱心に追っています。バンダナ・シバとモード・バーロウという2人の著名な環境保護活動家が登場するこのセグメントも、まずはインド出身の活動家、シバさんへの、「日本の原発大事故はインドにどんな影響を与えるのか?」という質問から始まります。」

日本の原発から漏れた放射能による魚の汚染に関する報告書に書かれた「人体に影響はなく心配は無用」という言葉に、カナダ出身の水の活動家バーロウさんは、「地球の他の生物を考えない この人間中心的な考え方こそが問題」だと嘆きます。そして、「2030年までに世界の水需要は供給を4割上回る」「これがどんなに恐ろしい数字かどんな苦しみが起きるのかわかってない」と「すべての命をはぐくむ源」で「生態系の基本」である「水」の貴重さへの無関心を憂います。一方、物理学者でもあるバンダナ・シバさんは、原子力発電について、「原発とはお湯をわかすために核分裂を起こし、その過程で危険な放射能が大量に出す愚行」と明快に切り捨てます。

インドでもカナダでも、経済開発・エネルギー開発と称して、環境や人々の生存に大きなリスクをもたらすプロジェクトが進行中です。巨大資本と国家が絡み、軍の出動や暴力の行使を伴うことも多い環境破壊ですが、2人が希望のよりどころとするのは、ボリビアなどが推進する「母なる大地の権利」を求める動きです。

ボリビアでは人間と同じ権利を自然に与える法が成立目前で、国連総会でも、自然に対しても人間と同等の権利を与える国際基準についての論議が行われました。「自然と人間とは別々の存在だとする見方は、知性のありようとして時代遅れ」「大半の文明は 世界を関係や結びつきで見てきた」「母なる大地の権利という考え方は、人と自然が繋がっているという感覚を蘇らせてくれる」とシヴァさんは、語ります。自然の商品化という考え方が地球温暖化対策の中でさえまかり通る危機的ななりゆきではあるけれど、大丈夫。地球全体から見れば、自然を尊重し恵みに感謝して共に生きる、「母なる大地」という考えを信じる人々・文化の方が絶対に多数の意見なのだからと、シバさんは言い切ります。そのゆるぎない自信は、チェルノブイリやBPや福島原発で痛めつけられた地球を悼み、ともすれば暗い気持ちに陥りがちな人々にも、勇気とやる気を与えてくれそうです。

ゲスト:
*モード・バーロウ(Maude Barlow) カナダ最大のアドボカシー団体「カナダ人評議会」の議長で、「ブループラネット・プロジェクト」の創設者。『BLUE GOLD―独占される水資源』や『"水"戦争の世紀』など著書多数。もうひとつのノーベル賞として知られるスウェーデンのライト・ライブリフッド賞 (Right Livelihood Award)も受賞している。最新書はBlue Covenant: The Global Water Crisis and the Coming Battle for the Right to Water(『水色の約束:グローバルな水資源の危機と水への権利をめぐる新たな闘争』)

*バンダナ・シバ(Vandana Shiva) 世界的に知られる環境問題の指導的活動家、思想家。物理学と環境学を教え、「科学・技術・環境科学のための研究基金」の理事をつとめる。原 産の種子の使用と多様性を訴える「ナブダニャ(9つの種子)」運動を創始した。1993年に「もう1つのノーベル賞」を受賞した。『アース・デモクラシー ―地球と生命の多様性に根ざした民主主義』など著書多数

 

字幕翻訳:田中泉/校正:大竹秀子
全体監修:中野真紀子/サイト作成:丸山紀一朗

 Facebookでは兼井浩さんの10月16日の投稿で、次の投稿コメントが添えられています。

 

■モラレス大統領「地球を救うには、資本主義を終わらせよ」2009年5月9日

4月22日、ボリビアエボ・モラレス大統領はニューヨークで特別記者会見を開いた。国連総会は、この日を「母なる地球の日」にしようという、このラディカルで貧民の側に立つボリビア政府の提案を受け入れていた。


モラレス大統領はそこで「21世紀を環境破壊と気候変動を止めるための世紀」にしようと訴えた。「われわれはこの惑星を絞め殺そうとしており、それはとりもなおさず自分自身の首を絞めていること」なのだから、と。

まず、このことを認めようとモラレスは言った――「わたしたちはこの星を所有しているのではなく、むしろ、この星に抱かれているのだ」。

「母なる地球が商品のひとつなんてことはありえない」と彼はいう。

11月の演説で彼はあけすけに言った。「気候変動はすべての人類にとてつもなく大きな選択を迫っている。資本主義の道をこのまま選んで死ぬか、自然と調和する道を選択してすべてのいのちを大切にする方向に進むか」。

「地球はウォール街や世界の株取引よりも大切だ」。

■母なる地球は病んでいる
資本主義経済の拡大し続ける生産への欲動は人間社会と自然世界の関係を破壊し、持続不可能なものにしている、とモラレスは言う。

「資本主義システムの際限のない利益への渇望はこの星を破壊している。資本主義の下で、私たちは人間ではなく消費者なのだ。資本主義の下で、母なる地球は存在しない。それはただの原材料なのだ」。

この利益への渇望によって資本主義国家は気候の危機に合理的に対応することができなくなっている。危険な兆候は非常に大きいにもかかわらず。

資本主義システムは「ほんの一握りの人のために贅沢を作り出し、それを誇示し、浪費する。世界の何百万人もの人が飢えで死んでいく間にさえだ」。南の国々の悲惨な貧困は環境問題を悪化させ、希少資源の使用は持続不可能になる、とモラレスはいう。

さらにその上、「資本主義の手の中にあっては、あらゆるものが商品となってしまう。水も、土も、人間の遺伝子も、先祖伝来の文化も、正義も、倫理も、死も……生そのものまでもが」。

■資本主義を超えて
より持続可能な世界への改良のための闘争のひとつとして、モラレスは農産物からの燃料(バイオ燃料)の廃絶を主張している。それらは食料のための作物を車のための燃料にしてしまう、人々はこんなに飢えているのに。

西側諸国は同時に不必要な消費を減らさなければならない。そして、化石燃料産業への補助を止め、現状よりはるかに厳格な削減計画を採用し、貧しい国々への環境技術の移転を行わねばならない。

気候をより健全なものにしていくための闘争とかたく結びついているのは、戦争を終わらせるということ。「民衆は戦争で勝利することはない。勝利するのは帝国の権力だけだ。また、さまざまな民族も勝利することはなく、勝利するのは多国籍企業だ」とモラレスは10月に語った。

戦争行為はすさまじく環境破壊的であるだけでなく、「目もくらむような膨大なお金が戦争のために使われている、そのお金を、気候変動に傷ついた母なる地球を癒すために使わねばならない」。

気候変動に大きな責任を有している工業化された諸国は、「エコ負債(ecological debt)」を「南」の国や人へ支払わなければならない

この破滅的な資本主義のオルタナティブとしてモラレスが提案しているのは21世紀の「共同体的社会主義(communitarian socialism)」だ。そこでは、資本主義の「もっともっといい生活(living better)」という発想ではなく、「健全な生活(living well)」がゴールになる。

モラレスはいう。「私たちにとって、間違っていたのは『もっともっといい暮らしを』というモデルだ。それは無限の開発、際限のない工業化、歴史を軽視する近代化、他者と自然の犠牲のうえの財の蓄積、というようなモデルだ。だから私たちは、他者や母なる地球と調和の取れた『健全な生活(living well)』という考え方を提案する」。

出典:green left weekly

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■【貧民の英雄】ベネズエラチャベス大統領は、2013年3月5日に亡くなりました。
国の資源が米国配下の企業に独占され吸い上げられ、国民は貧困にあえぐというシステムから、貧困撲滅の政策を掲げて中南米のリーダーになったチャベス氏。多くの国々が力をもらい、米国からの実質的な独立国家になりました。(日本は、まだなんです)

ボリビアでは、こんな法律が作られました。
「大地に権利を与える=母なる大地の法=パチャママ法」

人間が、好き勝手に大地を傷つけたり大地の法則に逆らってはいけないという法律です。

この法律は次のように述べています。「『よく生きる』ということは、自然を貶めない(破壊しない)行為と行動、および消費の形態に適合することを意味する。それは生命との倫理的、精神的な関係を要求する。『よく生きる』とは、人生の十全な実現と集団的な幸福を企図している。」

この草案を準備したのは、36の先住民族グループすべてを代表した人たちで、その大多数の人々はいまだに先祖代々の土地に住んでいる多くの小規模農民です。この法案は、産業のさまざまな影響から彼らの生活と多様な文化を保護します。

■母なる大地の法は、つぎの諸権利を含んでいます。
* 自然の進行と生命の規範を維持する権利。
* 遺伝子を改造したり細胞構造を変化させることのない権利
* 人間の変更を含まない生命サイクルおよびプロセスを持続する権利。
* 清潔な水への権利。
* 清浄な空気への権利。
* 平衡状態のためのバランスの権利。
* 放射性および有毒な汚染のない権利。
* 現地の居住コミュニティと生態系のバランスに影響を与える巨大な基盤整備および開発計画に冒されない権利。
* さらにこの法は、「すべての核兵器、生物化学兵器の廃絶」および「平和」と「調和」を 奨励し促進する。
 
国民と政府が一緒に作り上げた法です。

清潔な水、清浄な空気・・・人間のために不可欠なものを、世界中の人間が汚している現実へ『No!』と言っているのです。

遺伝子組み換えなんて絶対ダメ、と言っているのです。

こういう南米の人たちの考えが、経済優先のアメリカにはものすごく邪魔なのです。

厳しい気候のボリビアの人たちの方が、地球と人類の歴史から見たら、正しいと思います。人類が、これから生き延びる道は、これしかないと思うのです。